■ 細川俊夫 《ナターシャ》 (2015-8-13)
新国立劇場に、《ナターシャ》を見てきた。大野和士による日本人作曲家委嘱シリーズの第3弾。
台本はベルリン在住の多和田葉子、作曲は同じくベルリン在住の細川俊夫が担当。指揮は大野和士だ。
主役は、故郷を追われさまよう移民ナターシャと日本人青年アラト。二人は、メフィストの孫に誘われて、七つの地獄をさまよう。
まずは、森林破壊、洪水、干ばつなどの自然地獄か。
全体のテーマは「地球環境破壊」と感じられました。現実の世界では、昨日にしても九州方面が強雨に襲われたようで。
早くも河川の氾濫情報が伝えられていましてね。リアルな現実が、オペラの仮想世界をはるかに追い越しているではないか。
この《ナターシャ》は、オペラという表現媒体を通しての新しい試みだったのでしょうか。どうも中途半端な印象です(自分の勉強不足があるかな)、
――オペラという表現手段をかりて 新しい/深い主張があったのかな?
チケットは、初めの3L席。視野が限られますね、大野さんの指揮ぶりは丸見えでした。新聞紙のようなスコアをめくってました。
電子音楽がかなり活躍とのイメージを聞いていたのですが、3F席では、その効果はあまり感じられませんでした。
PAを使っているのはわかりましたが。
◆スタッフ
【台 本】多和田葉子
【作 曲】細川俊夫
【指 揮】大野和士
【演 出】クリスティアン・レート
【電子音響】有馬純寿
◆キャスト
【ナターシャ】イルゼ・エーレンス
【アラト】山下裕賀
【メフィストの孫】クリスティアン・ミードル
【ポップ歌手A】森谷真理
【ポップ歌手B】冨平安希子
【ビジネスマンA】タン・ジュンボ
【サクソフォーン奏者】大石将紀
【エレキギター奏者】山田 岳
【合唱指揮】冨平恭平
【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団