■ ベルク:ヴァイオリン協奏曲 (2019.9.4)

都響 第885回定期演奏会 サントリーホールへ出向く 2019.9.4(水)
本日のプログラムはなかなか魅力的!共通テーマは「ウィーン」、それと作曲家「最晩年の作品」ということか。後半のプログラムはいつものように失礼したが、大野和士の指揮するブルックナーを聞き逃したのは残念。

ベルクのヴァイオリン協奏曲。たしかに痛切な悲しみの響きが伝わってくる。「12音技法」に基づくとのことだが、この技法の解説は何回聞いても分からない。率直にヴァイオリンとオケの協演に耳を傾けるしかない。

2楽章構成。第1楽章は、故人の「愛らしい少女のイメージ」をつづっているようである。ヴァイオリンも静かなテンポで弾かれる。軽やかな音楽が途中出てくるのが印象的。第2楽章。ヴァイオリンやオケの響きにも厳しさを感じる。闘病の様子なのか。終曲にむけてバッハのカンタータを聴き取ることができた。

全体に静謐な演奏だったと感じた。ヴァイオリンがどうも平坦に聞こえたのは座席位置(P席)によるのかな。個人的にはもっとドラマティックな演奏を期待していたのだが。少女の生涯は闘争だったのではないか。12音技法とかに、ロマンティックな音楽を期待するのは無理か。
アンコールは、プロコフィエフ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタより第2楽章

<プログラム>
ベルク:ヴァイオリン協奏曲《ある天使の想い出のために》
ブルックナー:交響曲第9番

管弦楽:東京都交響楽団(コンサートマスター 四方恭子)
指揮:大野和士 ヴァイオリン:ヴェロニカ・エーベル




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