■ 都響 マーラー:交響曲第3番 (2018.4.10)

第853定期演奏会Bシリーズ 2018.4.10(火) サントリーホール

シーズン幕開けとかで、さすがに客席は満員。
P席中央には合唱団が入るとのことで、席位置には変更があった。

マーラーの交響曲では第3番がもっとも大野和士にマッチするのではと、かねて思っていたのだが。本日はその期待が満たされた感があった。

全体は2部構成で6楽章。演奏時間が1時間半かかる大曲。
第1楽章は壮快なホルン(8本)の咆哮から始まる。巨大曲のプレゼンターションかなと思わせる。マーラー自身の解説によれば、「夏が行進してやってくる」だ。
第2楽章はメヌエットなのか。第3楽章にはちょっと異国的な響きが聞こえたのだが。

第4楽章にメゾ・ソプランの登場。このリリ・パーシキヴイは大野がモネ劇場で《トリスタン》でブランゲーネを歌ったとのことだ。入念な指揮ぶりがよくわかる。第5楽章には児童合唱。素朴なキリスト信仰を伝えているのか。

前楽章から切れ目なしに最終の第6楽章が開始する。長大な楽章であるが感動的だ。やさしく静かな弦合奏に引き込まれる。大野の指揮ぶりは恣意的なものがなく誠実なものだ。かすかに感謝の響きさえ聞こえてくるような。この曲・この演奏を間近で聴けたのは、得がたい機会だった。

<プログラム>
マーラー:交響曲第3番 ニ短調
指揮:大野和士
メゾソプラノ:リリ・パーシキヴイ
児童合唱:東京少年少女合唱隊 合唱指揮:長谷川久恵
女声合唱:新国立劇場合唱団 指揮:三沢洋史
管弦楽:東京都交響楽団(コンサートマスター:矢部達哉)




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