■ ワーグナー:楽劇 《ニュルンベルクのマイスタージンガー》  (2021.12.5)





《ニュルンベルクのマイスタージンガー》を観てきた。
新国立劇場 2021-11-24(水) 開演 14:00



コロナ禍で中止/延期を重ねてきたオペラ公演がようやく開演に至った。5回の公演であるがちょうど中日を選択して観賞した。
6時間の長丁場である。演じる方も大変だが、観る方も必死である。幕間にエナジードリンクを摂るなどを考えたが効果はどうだったのだろうか?
さすがに待ちに待ったとのことで満席のようだ。こちらは4階席の下手寄り。舞台の奥の奥までは見通せない。

今回の公演は、現代のオペラ劇場を設定した読み替え版である。劇場では《マイスタージンガー》が16世紀を背景に上演されているという趣向。
ハンス・ザックスは劇場の総支配人である。舞台には、座席も並ぶなど劇場の様子を細部まで表現している。
新国立自慢の回転機構を活用して、現実の劇場から劇中オペラへと、舞台転換がスムーズである。

期待にあふれて序曲が鳴り響いた。大野和士の棒は気合いが入っているようである。堂々たる演奏。
管楽器が精妙な響き。都響も頑張りすぎてフィナーレのフォルテは荒れてしまったようだ。続く教会の礼拝の場はすばらしい合唱である。

それにしても6時間は長い。第2幕など靴屋の弟子などの乱闘騒ぎも楽しいのだが。第3幕の歌合戦、そして幕切れはヒロインがどんでん返しの行動!
長いのは、どうもボーグナーとかザックスの演説のようである。《リング》でもウォータンの長い歌唱がありますね。
この《マイスター》に込められた美しい音楽を損なわずに、だれか演出家が思いきって3時間にまとめたらアピールすると思うのだが。
もちろんヒトラーにつながる残渣は取り除きますよ。
それにベックメッサーにもう少し理知的な性格付けをしてほしいもの。今回のアドリアン・エレートは達者な演技でした。カーテンコールの拍手も一番大きかったですね


<プログラム>
ワーグナー:《ニュルンベルクのマイスタージンガー》

指揮:大野和士
演出:イェンス=ダニエル・ヘルツォーク
管弦楽:東京都交響楽団

ハンス・ザックス:トーマス・ヨハネス・マイヤー
ファイト・ポーグナー:ギド・イェンティンス
ジクストゥス・ベックメッサー:アドリアン・エレート
ヴァルター・フォン・シュトルツィング:シュツファン・フィンケ
ダーヴィット:伊達達人
エーファ:林正子
マグダレーネ:山下牧子
夜警:志村文彦

合唱:新国立劇場合唱団、二期会合唱団 指揮 三澤洋史


■ 以下の写真は新国立劇場のSNSからダウンロードしたもの





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