■ マエストロの白熱教室2016 指揮者・広上淳一の音楽道場  ( 2016.7.24)

フィリアホール(青葉区民センター)
あざみ野から田園都市線の青葉台へと足を伸ばした。ビルの1階では高校生の鉄道クラブだろうか鉄道模型を展示していた。精密なジオラマに子どもたちがびっくり。フィリアホールは5階。

本日は、指揮者・広上淳一が、東京音楽大学・指揮科の学生たちを相手に、対話型の公開授業をやるという。日頃大学でやっている指導の様子そのままをホールで再現するとのこと。辛辣な指導ぶりらしい。「マエストロの白熱教室」と銘打っている。

《演奏曲目》はベートーヴェンの交響曲第7番。オーケストラは、東京音大の学生で編成している。弦は、6-6-4-4-2 構成だったか。30数名の小編成とはいえ、技術的にはレベルが高いと感じた。とにかく音の響きが若々しく瑞々しい。楽器演奏にも破綻がない。指揮者の要求に対し素直に反応するようだ。小ホールに溢れるよう。とにかく最後までオーケストラには感心しました。

音楽大学では、藝大にしても、指揮科の学生の指揮練習はほとんどが、せいぜいがピアノ相手だとのこと。小編成とはいえ、学生が弾くにしても、ちゃんとしたオケを相手に指揮の練習ができるのは、東京音大だけとのこと。しきりにPRしていたが。

まずは、指揮科の学生が登場し、第7番のひとつの楽章をまるまる指揮してから、広上さん他の先生方の指導を受けるというスタイル。いすれの学生指揮者も、それなりに立派にベートーヴェンを聞かせたのではないか。オケがストップしてしまうような大きな破綻はない。もう既にリハを繰り返している様子である。技術的なミスは聞き取れなかった。

4つの楽章をそれぞれ担当した4人の指揮者は、それぞれまとまっていたと感じた。素人には、ミスを聞き取れませんでしたね。技術的には問題ないのでは。先生方の指導内容は、正直なところよく理解できませんでした。「考えて深く」指揮せよとか、抽象的な指摘は対応が難しいでしょう

4人が一通り終わったあと、指揮科の学生全員が、短い時間ながらも登場し指揮をしました。年齢にはかなりバラつきがあるし、志望動機も様々だったようです。でも、指揮のスタイルがほとんど全員が、棒の振り方にしても、外見的にはまったく同じでしたね。ひとり一人の個性が発揮されているかは疑問です。ずっと聞くのがちょっと辛かったです。大変だったのはオケですね。特にコンマスが頑張りました。

学生の未熟な指揮であっても、それなりに感動を誘われたのは、さすがにベートーヴェンの力だったようです。とにかく広上さんも繰り返したように、指揮者には全人的な勉強が要求されるのだろう。何をどうやって聴衆に伝えたいかを、一生懸命に考えて指揮することだと。

やっぱり、たとえ小曲でも、広上さんの指揮ぶりを聞きたかったです!




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