■ 大野和士指揮:群馬交響楽団 (2011.7.30)





群馬交響楽団の定期演奏会(第474回)に行ってきた。
ベイシア文化ホール(群馬県民会館) 2011.7.30(土)



大野和士の客演指揮。大ホール(定員1997人)が満席。群響が地元ファンに愛されていることがわかる。舞台へのオケの出入りに丁寧に拍手を送るマナーには、自分のようなすれっからしの観客には新鮮にうつった。

はじめの《桜人》。ラベルの《ダフニスとクロエ》をちょっと思い起こさせるような響きがあった。ヴァイオリンの何という奏法だろうか?独特な音色が印象的。作曲者の西村さんが終演後に舞台にのぼり拍手をうけた。

ブリテンのVn協奏曲。さすがにソリストの渡辺玲子さんはすごい。テクニックや安定的な弾きぶりともに万全ではなかったか。

ブラームスの第4。
大野の指揮は、オケの力量を慮ってだろか、とくに明快さを心がけているようである。
安全運転とも思われ、棒を明確に分かりやすく振っていたようである。

第1楽章が始まると、終楽章までこの調子かなと、不安にとらわれたのだが。
チェロ/ビオラの内声部には頑張って欲しかった。
第2楽章では、大野の熱意がオケに浸透したようである。
特に、一端激しく盛り上がり、その後、慰めにも似たゆったりとしたメロディーが歌われる箇所――このあたりは、感動的な合奏となった。
第3、第4楽章へと進む。

<プログラム>
西村朗:桜人〜オーケストラのための〜
ブリテン:ヴァイオリン協奏曲
ブラームス:交響曲第4番


■ 群馬交響楽団 東京オペラシティ公演 < 2013.10.4(金)>

東京オペラシティ コンサートホール。
台風の影響か小雨がしょぼついている。ロビーが賑やかである。ゆるキャラの「ぐんまちゃん」が来ているようだ。さすがに群馬県の主催。1階席はほとんど埋まっている。


群響の演奏会には何回か伺っている。前回は大野和士の指揮であった。
本日の公演は、オール・エルガー・プログラム。曲目はよく考えられていて、楽しみました。群響は熱演でしたが、これからのガンバリも必要だなと感じましたね。

コンサートの開始は、セレナーデでゆったりとした曲。第2楽章なんか、まさにこれぞエルガー!といった趣きであった。

次のチェロ協奏曲。チェロ独奏は当初予定の堤剛さんから横坂源さんに変更になった。突然の変更でピンチヒッターの横坂さんは大変だったかな。冒頭いきなり難しそうなパッセージから始まる。チェロの音がやや小さく聞こえる。座席位置(3FのRバルコニー)の関係かも。オケの音量が過大である。もう少しバランスを整えて欲しいと思った。金管群の強奏のガサつきも時に気になったのだが。
静かな抑制的な第3楽章が印象的。チェロには、もっとっとたっぷりと歌って欲しかった。どうも自分の頭には、デュ・プレの情熱的な演奏が強く刷り込まれているようだ。それにしても、やはりこれは名曲ですね!

交響曲第2番は、生き生きとした弦合奏から始まる。そこかしこに、エルガー独特の――優しく聞こえて、静謐な雰囲気、だが凜としている――といった響きが聞こえる。とくに第3楽章など、いかにもエルガーそのもの。
第4楽章にはときにホルンなど金管が豪壮な雰囲気をかもす。でも強奏になるとオケのバランスが崩れるのが残念。

当夜はすべての曲でブラボーが飛び交ったのだが、この交響曲でのフライングのブラボーは何なんだ。録音が行われているとのことで張り切ったのか。


<プログラム> 〜すべてエルガー作曲 弦楽セレナーデ、チェロ協奏曲、交響曲第2番

<出演>指揮:大友直人(2013/4から群馬交響楽団音楽監督) チェロ:横坂源、管弦楽:群馬交響楽団 (2013.10.4)


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