■ ヒマラヤ美術館が閉館 (2003.1.11)

2002年12日18日の朝日新聞によると、名古屋のヒマラヤ美術館が閉館とのこと。美術館の母体である洋菓子店「ヒマラヤ」が本業不振の穴埋めに、ヒマラヤ美術館の所有する絵画を担保に借金したうえ、多数の絵画が担保流れになっていたとのことだ。三岸節子や、夫の好太郎の代表作も含まれていた。作品が激減した同美術館は、12月末に閉館。

三岸好太郎の「三人」(1933年)や「少年」(31年ごろ)、三岸節子の代表作と言われる「ヴェネチア」(73年)などが 人手に渡ったとのこと。多くの絵画は、すでに借金の貸主が売り払っており、行方が分からないという。実に残念だ。「ヴェネチア」はもう見ることはできないのか。



■ 名古屋探訪 三岸節子美術館 (2000.5.5)

『小さな美術館への旅』

名古屋には三岸節子ゆかりの美術館が二つある。尾西市の三岸節子記念美術館と、ヒマラヤ美術館である。4月の晴れた日にこれらの美術館を訪れた。

尾西市の三岸節子美術館は、JRの尾張一宮で降りる、名古屋から快速電車で10分ほど。駅前からバスに乗って10分。赤煉瓦の外観。静かなたたずまいにある。三角屋根はかつてこの地域の基幹産業であった繊維工場をイメージしているとのこと。休日ではあるが、朝9時の開館直後ということで他に入館者はいない。→ 写真アルバム:三岸節子美術館を訪れる

《自画像》が入り口正面にある。思ったより小さいなという第一印象(30.5×22.0)。色彩もおとなしく感じるが、襟の朱色が存在感を示す。真っ直ぐに見つめる目がある。

《細い運河》は69歳の作品(92.0×73.0)。運河に映る空の青さが印象的。

《アンダーソンの壺と小鳥》 堂々たる大作。落ち着いた茶色が基調。

白い花 (ヴェロンにて)》 (73.0×92.0)。圧倒的な力感である。とても84歳の作品とは思えない。誇張されたアンバランスがエネルギーを放出する。荒々しいタッチとプレーンな背景。壺に書き込まれた精細な馬の絵。


外に出ると、もう初夏の陽ざし。バス停まで歩くと軽く汗ばむ感じ。

ヒマラヤ美術館は名古屋駅から歩いて2分、幹線道路沿いにある。1階の喫茶店で入館料を払って2階へ、向かいに杉本健吉展示室がある。1977年の開館、ヒマラヤ製菓創設者の故・津田弘が20年余りを費やして収集した絵画を展示したもの。

入館者は、ほかに熟年夫婦がいたきり。ぎっしり三岸節子の作品が並べてある。3階は三岸節子作品室。カタログから勘定すると収蔵作品は全部で34である。

ヴェネチア》 を楽しみにしていたのだが見当たらない。受付に聞いても要領を得ない。展覧会に貸し出中なのかな。欧州滞在時の風景画が好きである。くすんだ石造りの家、淀んだ運河、そこに映る鮮やかな空。朱色は光?

《室内》は華やかな色彩の大作。この色彩感覚はちょっと三岸節子としては異質である。



戻る